『初心者プロデューサー』

いなばだいすけ

2006年03月14日 22:28

(静岡新聞窓辺3月14日掲載)
プロデューサーとは、どんな仕事でしょうか?肩書きは格好良く、なんだか偉そうなチョイ悪なイメージですかね。
映画づくりの貴重な経験を通じて、プロデュース業の大変さ、難しさ、そして、面白さという様々な局面を垣間見ることができました。一番の勉強になったことは、宿の旦那とたくさんの共通点があることの発見と創ることの素晴らしさです。
旅館では、フロント係、接客係、調理師、清掃係・・。本当にたくさんの人が、その日のお客様を迎え入れるために働いています。映画の現場では、監督と複数の助監督、カメラ、照明、音声さん達が、それぞれのプロの仕事の集大成としての映像を完成させていきます。
宿でお客様に応対できるのは、その日その時が勝負ですから、やり直しができません。リピーターづくりにも、一期一会が基本です。限られた時間と予算での映画づくりも、一日一日が生放送のような危機感があります。本番での緊張感と一体感の中で一緒に産み出されるものでお客様に喜んでいただきたいという要素も非常によく似ています。
さらに似ているのは、映画のプロデューサーも宿の旦那も自分では何もできないことです。自分にはない力をもつ人達に協力してもらいながら創り上げる。一人ではできないことをみんながひとつになって取り組んでいく。それによって多くの人に喜んでもらえる仕事。大変ですが、やり甲斐の大きな仕事です。こういう意味では、宿づくりも映画づくりも地域づくりも人づくりも一緒なのかもしれません。
キーワードはまさに「創る」です。
 自らを振り返るとまだまだ反省ばかり。映画づくりの経験を活かして、楽しい宿づくり幸せなまちづくりを実践できるようみんなで頑張りましょう。浜松浜名湖がたくさんの人で賑わいますように・・・。

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