2010年に公開され浜松のTOHOシネマズを中心にロングラン上映され三万人の皆様にご来場頂いた映画『青い青い空』がこのたびDVD化されて、11月2日より、販売&レンタルがスタートしたことを、当時、御支援、御出演頂きました鈴木康友浜松市長に報告にあがりました。
2010年に浜松・浜名湖地域振興映画製作プロジェクトの第2弾として、市民、企業の皆様からの御協賛・御協力を頂いて始まった映画『書道ガールズ』ですが、制作発表の直後に某テレビ局さんから、同名の似たような脚本の映画を作るとのことで取りやめの申請を受けるなど波乱の事業となりました。
書道ガールズとして制作発表した始まったこのプロジェクトは、結果として先に公開されてしまった別の『書道ガールズ』の余波をうける形で、浜松での公開タイトルを「書道ガールズ青い青い空」と変更し、参加いただいた市民の皆様、御協力いただいた書道関係者の皆様、そしてマスコミや企業のみなさまの応援をいただいて、浜松地域で3万人を動員することができました。
この地域映画の動員数によって、TOHOシネマズさんから東京と千葉での公開が決定し、それらをステップに全国各地での巡回上映を期待できるものとなりました。
しかしながら、波乱の事業は順風満帆とはいきませんでした。
2011年3月5日に、東京のお台場にあるTOHOメディアージュさんで公開となった「青い青い空」。浜松のシティプロモーションの期待も背負い、浜松市長も舞台挨拶に足を運んでいただいたのですが、誰もが忘れられない3月11日を迎えてしまいます。
東日本大震災。劇場が被災し上映が中止されただけでなく、説明の余地はない状況下で、被災当時は映画上映どころではなくなってしまいました。この震災によりプロジェクト自体も続行が不可能となり、全国巡回上映もDVD化も進行できないものとなってしまいました。
地域振興が目的であった当事業ですが、みなさんのご支援をいただきながらも震災という大きな波には為す術もなく、その後は大船渡市への浜松市からの復興支援事業にて上映会に出向くまでで終了してしまいました。
このたび太田監督をご支援いただいている皆様からの強いご要望もあり、関係各位の御理解により5年の歳月を経て、DVDとして改めて世にでることとなりました。
震災によってさまざまな状況と事業中止により、発展的なご報告ができないままでいた映画「青い青い空」。プロジェクトとしては、その目的を十分に果たせず、ご支援、御協力いただいた皆様には、DVDをお届けするというような形もとることはできないものとなり、大変申し訳ございませんが、当時の撮影に御協力、ご出演いただいた皆様、ご関係の皆様の記憶や思い出となればと思い、この時期となってしまいましたが、DVD化を発表することとなりました。
映画に出演いただいた浜松学芸高校や興誠高校(現浜松学院高校)の皆様は、おそらく成人されていることでしょう。
劇中、ラストシーンを撮影した「はまホール」も今は使用することができず、再建検討されています。
この作品に出演され、独特の存在感とその優しい雰囲気で現場を包んでいただいた名優の長門裕之さんは、この映画が遺作となってしまいました。
映画音楽をお引き受けいただいた遠藤浩二さんは、今年大人気となったNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の音楽も担当されています。
映画は、作られた時代、背景、制作に携わったすべての皆様のひとつひとつが形となって後世に残るものです。
劇場公開は、意志半ばとなってしまった「青い青い空」ですが、ぜひこのDVD化を通じて、また一人でも多くの方にご覧いただけることを願っています。
最後に、改めましてこのプロジェクトに御支援・御協力を賜りました皆様に心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。