『浜松凧についての一考察』(3月7日掲載)

いなばだいすけ

2006年05月08日 23:38



激練りに担ぎ上げられる初子のお祝い。大人社会の厳しさを知る凧場。よその町に負けない喧嘩凧の意気込み。そして地域の人間関係をしっかりと形成する町ごとの組社会。
浜松祭りが生活の一部となり、凧が地域コミュニティの一体感の象徴となっている浜松では、誰に教わることなく、やらまいか精神が植えつけられているのでしょう。凧を作って、揚げて、楽しむ。その凧文化は学校では教えてくれない地域の人づくりの教科書なのかもしれません。

規律を破ることは学校では教えてくれません。とんでる行動は抑圧され、おかしな奴というレッテルを貼られることのほうが多いでしょう。しかし、殻を破ることまで画一化する必要はないのです。時に殻を破って叱られる位のことがなければ体感することのできない晴れやかな気持ちにこそ成長や気づきがあるのです。


人を信じること、人のために動くこと、大切な何かのために突っ走ってみること。一人では何もできないこと。どれも口でいっても本で読んでも理解できないものばかり。

思いを行動に移せる勇気こそが、それらに気づくことができる方法なのです。


映画「天まであがれ!!」は、祭りの再現映画ではありません。
現代の子供が、たくさんの出逢い、気づきを通じて成長し人の心を動かしていく物語です。
忘れかけたやらまいか精神、人のために頑張ったときの達成感や人と人とをつなぎ願いを叶えること。そんな思いを昭和の郷愁漂う平成の視点で観た人に議論してもらいたいのです。


地域が機能していた時代の親の教育や考え方の良い所を見直し、地域が子供を育てるようなまちづくりとは実現できないものでしょうか?

しなやかな竹技術と思いで紡がれた糸目。人と人がつながり織り成す凧揚げ祭りを通じて、今年は新しい絆が芽生えるかもしれません。




静岡新聞3月7日夕刊窓辺より
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